こんにちは、地方公務員9年目のはらしょ~です。
今回は、副業の許可基準を作っている役所・県庁を紹介します。
そもそも副業ってOKなの?
「公務員は副業禁止だ!」と聞いたことはありませんか?
公務員の副業は禁止ではなく、あくまで規制です。
つまり、許可を得ていれば副業することができます。
地方自治法第38条には次のように書いてあります。
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

長い…。つまり、どういうこと?
これだけ読んでも分かりませんよね。
要するに、人事に兼業許可申請書を出して、OKが出れば副業しても良いわけです。
実際に僕も人事に許可をもらって、副業したことがあります。
具体的には動画の作成と、動画に関する講演です。
よく、副業をして処分を受けている公務員がいますが、あれは副業がダメなのではなく、許可を取っていないのがダメなのです。
そして、なぜ許可を取っていないかというと、ほとんどの役所が許可基準を作っておらず、どこからが副業なのかあいまいだからです。

とはいえ、グレーなものは人事に相談した方が良いでしょうね。
副業をしていい自治体7選
さて、では副業をしていい自治体…
いやちょっと待ってください。誤解なきよう先に言っておきます。
許可基準を作っている自治体をご紹介します。
コチラです。
①北海道鹿部町
②奈良県生駒市
③兵庫県神戸市
④広島県福山市
⑤宮崎県新富町
⑥長野県
⑦福井県
赤マーカーは市町村、青マーカーは都道府県です。
これらの自治体は職員が副業する意義を明確にして、こういう業務なら副業していいよという基準を定めています。
もちろん、どんな副業でもOKというわけではありませんよ。
どんな副業ならやって良いの?

アパレルで働きながら市役所でも働きたいなぁ
どんな仕事ならOKか、気になりますよね。
今のところ、地域貢献につながるものか、スキルアップにつながるものが目立ちます。
例えば、
①通訳
②スポーツ教室の講師
③事務の補助
などですね。

結局そういう意識高いようなことじゃないとダメなの?
ここで注目していただきたいのが、
「地域貢献とは何ぞや?」
ということです。実は、地域貢献を明確に定義している自治体はありません。
ですので、「自分がやってる事業は地域にこう役立っている」
と説明できれば、副業として認められる可能性があります。
例えばユーチューバー。
私もユーチューバーをしていますが、動画の内容を見ていただいたことはあるでしょうか?
公務員に役立つ情報発信や、公務員が息抜きできるライブ配信を行っています。
このように、公務員に役立つ=公益性があると考えれば、副業として認められるかもしれません。
ブログやウェブ制作も同じことが言えるのではないでしょうか。
宮崎県の新富町ではコンビニバイトができないかという話題も出たそうです。
人口減少によりまちの担い手がいなくなるから、職員の兼業によりカバーするという考えです。
もしかしたら全国には、職員が兼業できていたらつぶれなくて済んだ店があるかもしれません。
この辺りは模索している自治体も多いと思われますので、人事担当と仲間になって考えることが重要だと思います。
信用失墜行為ではないの?
副業をした公務員が処分を受ける理由として、「信用失墜行為」が挙げられます。
が、これは副業そのものが信用失墜行為なのではありません。
許可を得ずに副業したことが信用失墜なのです。
許可を得て副業している人は私含め、大勢います。
許可が出るかどうかわからないことを、黙って副業しているのがいけないのです。
そして、業務そのものが信用失墜になることであれば、兼業許可は下りない可能性が高いでしょうね。

例えば迷惑な動画で再生数を稼ぐユーチューバーはダメですが、公務員に役立つ情報発信や、地域の魅力発信なら、人事と相談する価値アリです。
本業に支障が出るのではないか?
副業をすると本業がおろそかになるのではないか?とよく言われます。
確かに、副業で働き過ぎたらおろそかになるでしょう。
逆に、土日に遊びすぎて疲れてもおろそかになりますよね。
かと言って、本業に支障をきたすものすべてを禁止にしたら、土日は外に出られなくなってしまいます。
そのためにも、兼業許可基準を作る必要があるのです。
労務管理という意味では、1日当たりにあてられる時間を決めておくと良いでしょうね。
副業でやらないと決めていること
さて、僕は任期付きの、兼業OKの公務員として採用されているので、ユーチューブやブログをしています。
とは言え公務員に変わりはないので、やらないと決めていることがあります。
それは、お店の紹介です。
役所の公務員である以上、地域の人といつ利害関係になるか分かりません。
例えば私は移住の仕事をしていますから、
「ユーチューブで紹介した移住者の移住補助金は適切なのか?」
という話になったらややこしいことになり、まさに信用失墜になりかねません。
ですので、自主的にやらないようにしています。
もちろん、自治体の判断で、「店の紹介をしていいよ」という基準を作る自治体が現れることも想定できます。
地方自治なので、自治体によって判断は分かれるでしょうね。
まとめ
公務員の兼業は、スキルアップや地域貢献、公益性が重要となります。
また、地域の存続のためにも、人事課は職員の兼業を検討する時期に来ています。
一方、株や不動産投資など、法律的には副業ではないお金稼ぎは、公務員でもやって構いません。
動画でも兼業について紹介していますので、どうぞご覧ください。